西精工株式会社様へベンチマーキングに行ってきました
平成31年2月14日

皆さまこんにちは。

 

今日は2月10日の土曜日です。

観測史上最も厳しい寒さが日本列島を覆っています。

 

週の始めは暖かさを感じる日が続きましたが、週末は雪がふる予想のため、外出する際はスリップ事故等起こさぬよう、運転には気を付けましょう。

 

一昨日は社長と大垣支店長と共に、四国の西精工(株)様へベンチマーキングに行ってきました。

 

日本経営品質賞やホワイト企業大賞、日本でいちばん大切にしたい会社大賞など名だたる賞を受賞し、日本中の経営者が手本とすべく見学に訪れる会社です。

 

雑誌や映像で西精工(株)様が最も重要視する社員育成について知識として知ってはいたのですが、現場を実際に見るからこそ感じる社風や企業風土を体感し、学び取り、これからの人生に反映させたいと思い社長、支店長と共に参加を決めました。

 

西精工(株)様のベンチマークは早朝7時半開始です。

前日の夜から近くのホテルに宿をとり、7時に出発しました。

 

国道から横道へ入り住宅地を進むと西精工(株)様の白を基調としたガラス張りの明るい建物が見えてきます。

 

広い門を通り抜け駐車場へ向かうと、守衛の方が走り寄り笑顔で誘導していただき

社屋内へ入ると事務所の全員が立ち上がり穏やかな笑顔で丁寧に挨拶をされます。

 

他社を訪問した際に感じる儀礼的なものではなく、訪問者を心から迎え入れている。

そんな柔らかな空気が社内に充ちているように感じます。

 

今までどの企業訪問でも感じたことのない温かさが存在しており

それは組織風土であり、また社員さん一人ひとりが醸し出しているように思います。

 

少し驚きを覚えながら2階会議室へと歩みを進め、まずは代表を務める西社長から会社の沿革を伺い、毎日8時から始まる長時間の朝礼を見学します。

 

社員さん全員が互いの顔が見えるよう大きく円形に広がりその日のテーマについて全員が意見を交わします。

 

1時間以上立った状態で行われるこの朝礼は、誰か特定の人が話すのではなく対話形式で行われ互いの意見をよく聴き、全員が耳を傾けます。

 

この朝礼を通じて組織内のコミュニケーションを深め互いの表情、体調を洞察し朝礼後の業務に反映させており、朝礼の出来がその日の生産性を決定する重要な取り組みとされています。

これは朝礼ではなく生産性を高めるワークショップといっていいと思います。

 

工場内を見学しナットの製造過程を一通り見せてもらいます。

 

工業用品の製造工場は油や鉄屑が大量に発生するため黒く薄暗い工場が多いですが、この工場の床はピカピカに磨かれ、年期のはいった機械も新品同様です。

 

汚れた場所からは良い製品も良い人間関係も生まれないという真理があり、作業しながらこまめに掃除をしているそうです。

 

工場で働く方や事務所の方、守衛の方、西精工で働く全員が会社を大切に思い、社員を家族ととらえ全員で会社を営んでいるように感じられます。

 

そんな

「大家族経営」

を実現する西社長自身は、会社を継ぐ予定も話も全くなく、大学を卒業してからは東京の大手広告代理店で忙しくも充実した日々をすごしていたそうです。

 

次期後継者とされていた西さんの従兄弟が若くして急逝され、代わりの後継者として東京から四国へと呼び戻され、社長に就任されました。

 

代表職に就かれて約17年経ちますが、当初はとても暗い会社だったといいます。

 

工場は薄汚れ、製品が床に散らばり、すれ違う社員は挨拶を交わさない。あげくに朝のラジオ体操をする役員の横を、新入社員がポケットに手を突っ込んだまま出勤してくる。

 

会社内は

「死に体」

その物だったといいます。

 

内部崩壊していた社内にどのように変革を起こし、日本有数の企業へと発展させたのか。

それは地道な歩みだったと振り返ります。

 

会社は社員さんを幸せにするために存在する。

という理念のもと、一人ひとりが成長するための取り組みを毎日愚直に続けます。

 

毎朝一時間以上行われる朝礼や、毎週月曜日に提出する作文。

毎日西さんの問いかけに対して夕方までに返答をする乱文通信等、どれも社員さん自身が己とひたすら向き合い、自省と省察を繰り返す取り組みです。

 

人は環境や待遇などの外的要因で成長することはできず、自分自身と向き合い、周りの人たちの協力を得て生きていることに気づき、感謝し、誰かのために役にたちたいと自ら願った時に、人として成長し、それが仕事に反映される。

 

このような取り組みは当初反発の声が多く、

「作文を書くためにこの会社に入ったのではない」

「なぜこんな面倒なことをやらないといけないのか」

など反発の声が多かったそうです。

それでもこの取り組みを通して社員さんたちは必ず成長し、それが一人ひとりの幸せにつながる。

との思いで継続されたそう。

 

ある社員さんは始めた当初は

「何でこんなことせなあかんのや~」

とイヤイヤ取り組んでいたそう。でも5年経った頃、思考力の成長を実感し大切な取り組みであることに気付いたそうです。

 

 

西さんは経営者として大切なことは

「覚悟を決める、そして本気を貫く」

事だとおっしゃいます。

 

 

 

「小さな事を積み重ねることだけが、とんでもないところへと行けるたったひとつの方法」 (イチローの言葉)

 

 

人生はドラスティックには変わりません。

人の成長も、組織の成長も小さな努力の積み重ねなんでしょうね。

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